コラム

令和6(2024)年の相続税課税割合が、初めて20%の大台へ(東京都)!

 国税庁が2024年分相続税の申告実績を発表しました。
 全国で昨年亡くなった方はついに160万人台となり、うち課税割合【注】は初めて10%の大台を超え、16万7千人弱に。
ちなみに、昨年の赤ちゃんの出生数は68万6,061人(前年比41万人減)で、死亡者は2.3倍も多かったのです。
少子高齢化の進む日本ではこの傾向が続くものとみられます。
【注】相続税の課税対象となった亡くなられた方(被相続人)の死亡者全体に占める割合

◆ 東京都では、5人に一人が課税対象に!
 全国平均の課税割合は10.4%(前年9.9%)でしたが、特筆すべきは「東京都の課税割合」です。その課税割合は全国平均の2倍の”20%”にも。つまり、5人に1人が相続税の課税対象なのです。
● 千代田区は、前年の2023年時点で”2人に一人”が課税対象だった!

 東京都のデータには都下や島しょ部が含まれており、東京都23区だけの課税割合をみると、すでに2年前(2022年)時点で20%台で、2人に一人を超えていました。ちなみに、千代田区は前年(2023年)の課税割合はなんと48.4%で、2人に一人は課税対象でした。
 こうしたことから、東京都心3区(千代田、中央、港)では東京都の課税割合の2倍、つまり40%(”2.5人に一人”)が課税対象ではというのが肌感覚です。

● 東京だと、戸建て住宅を持っていれば相続税の課税対象に!

 地価が高騰している東京では、ちょっとした戸建て住宅をお持ちなら、相続税の基礎控除額【注】を超えて課税対象になってしまう状況です。これも、長く続く低金利、海外投資家による億ションやオフィスビル買い、そして、株価上昇が後押しして、地価上昇を招いている点が背景にありそうです。
 【注】相続税の基礎控除額の計算:定額控除3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

● 東京国税局管内でも、地域によってこんなに違う!

 東京国税局は、東京都、神奈川県、千葉県、山梨県の4都県を管轄区域としています。
 課税割合ひとつとっても、東京都が20.0%、神奈川県15.5%、千葉県11.3%、山梨県8.1%(詳細は下図参照)と大きく異なり、東京都は山梨県の2.5倍にも上っています。といっても、山梨県も全国平均の10.4%とはさほどかい離していません。東京・神奈川など大都市が異常に高い課税割合になっているということです。

◆ 財産のメイン!?が自宅だったら、相続税はどうすれば!?
 たとえば、東京都千代田区にお住まい(戸建て住宅)の方が相続発生となるとどうなるでしょうか?
 「地価が非常に高く相続財産評価も高額になるから、うらやましい」と感じられる方が多いのでは。千代田区に住んでいるからといって、預貯金や上場株式をたくさんお持ちというわけではありません。たとえば、千代田区で路線価が100万円/㎡の土地はざらにあり、もし165㎡(50坪)なら土地だけで1億6,500万円もの相続税評価額となります。
 一般論としては、相続財産が高額なら相続税も多額に上るため、納税資金を用意しておく必要があります。となれば、相続で相続人(配偶者や子ども)が受け取れる預貯金など現金化できる財産はまず納税資金に、次に配偶者の将来の生活費を優先すると、子どもたちに残される財産はホンのわずかになりかねません。

 『備えあれば憂いなし!』のことわざどおり、事前の準備が大切です。相続対策は、長寿化社会では親御さんのシルバーライフ資金(生活費、治療費など)の確保とそのうえでの財産対策が不可欠に。